希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

僕等の街で。

10月。バスミュの稽古は、終了し13日連続(土日祝日は、3公演。)の東京公演、最終日。 「サンドイッチ、もーらいっ☆」 葵が、毎日作って持たせてくれる小さめのキャンディ型のサンドイッチ。 僕以外の誰か(キャストだけでも、38人程いる。)が、食…

僕等の街で。

「基本雑食の所は、全力否定すると思ったんだけど。」 「蝉とか、蛾とか蜂の子とか、コオロギとかチャウチャウ犬とか、食べてた時点で雑食でしょ。日本来てからは、コオロギと蜂の子以外食べた事ないけど。」 「蜂の子の美味しさを分かる人に上京して、初め…

僕等の街で。

「1943年に某国にあった病院が解放された事を覚えてないか?」 「1943年って、僕生まれて…。前世の話?!」 前世の記憶なのに昨日の事の様に話すトッキー。前世の記憶を鮮明に語る事が、出来る人に僕が出会ったのは、前世迄を含めても多分初めてだっ…

僕等の街で。

風邪が、完全には治らないまま、1週間が過ぎた。食欲も、完全には戻らず、マジョラム茶と手製の健康ジュース(良い機会だと、言い聞かせて僕は、美味しくて飽きない健康ジュースの開発を始めた。)に頼りきっている状態だった。 「小狼、最近何か、おかしい…

僕等の街で。

「ごめん、高熱でぶっ倒れてるって、青葉君に聞いたからちょっと、心配してたけど大丈夫そうね。」 その言葉を皮切りに鈴花は、僕に説教を始めた。そして、最後に「小狼が、ご迷惑をお掛けしました。」と南野さんに頭を下げた。 「迷惑なんて、そんな事なか…

僕等の街で。

南野さんは、とある事件のコードナンバーを口にした。僕は、瞬時に事件の概要を脳内から引っ張り出す。 それは、いまだに被疑者の数が特定されていないばかりか、目撃者すら出ていない迷宮入りしそうな未解決事件だった。 「その事件で、兄と兄の家族を亡く…

僕等の街で。

クリニックの処方薬が、効いたのだろう。僕の熱が、38℃台に下がると心身共に大分楽になった。 「今日は、有り難う御座います。僕の為に…。」 まだ、張れないけれど嗄(か)れそうだと思った声は、元に戻った様ですんなり言葉が、出た。 「王子の事を頼むっ…

僕等の街で。

僕は、食欲不振で昨夜から、何も食べていなかったのと、今朝からの高熱とでフラフラだった。点滴を受けたとして、心理的に楽になった気がするだけな事を知っているからか、点滴前と気分的には、何も変わらなかった。 「1回、家に帰ろう。小狼君、大人しく寝…

僕等の街で。

南野さんを待つ間に僕の意識は、遠くなったらしい。気が付いたら、僕の実家の目と鼻の先にある個人医院(大人になる迄、風邪やインフルエンザを含む病気とは無縁だったから、僕の掛かり付け医ではない。)で点滴を受けていた。 以前にも、似た様な事があった…

僕等の街で。

岡山の親切な人(岡山県代表の天使だった。)から、送られてきた住所を英太郎に伝えじーちゃんの願いが、叶えられたのは2週間程後だった。これをきっかけにして、陸軍さんの娘さん家族と僕の実家との交流が、始まったらしい。 バスミュの稽古時期と、同じく…

僕等の街で。

「陸軍さんのお手紙、届けてあげたいから必死で、家族か親戚の手掛かりを毎日探してたんだ。やっと、見付かったよ。」 「本当?!」 「岡山県の倉敷市って、所に娘さんが住んでるみたい。住所は、親切な人が小狼に送ってくれるって、言ってた。」 僕も、陸軍…

僕等の街で。

「あ、これ予算降りないかも…。直人、みみっちいから。」 葵の言葉に僕は、黙ってはいられなかった。 「倹約家って、言って欲しいんだけど。」 「倹約家ねぇ…。ドケチなだけでしょ。」 「野菜も、卵も小麦粉も、何もかもが値上がりしてるから、出来る限りの…

僕等の街で。

為吉君が、帰って来ないまま流石の僕も、心配し始めた頃僕の通信装置が、鼓動した。 「今日、為吉君帰って来ないっぽい。」 「何で?!」 「今、岡山にいるみたいでさ。」 「岡山?!桃太郎で、有名なあの…。」 通信装置に応答した僕と、葵の反応は全く同じ…

僕等の街で。

「御守りって…。」 「持ってるだけで、安心するんだ。御守りも、そういう類いじゃないの?」 僕の問いに爽ちゃんは、答えなかった。 「ごめん、疲れちゃったよね?僕、帰…。」 僕の言葉が、終わらないうちに僕の腕を爽ちゃんが掴んだ。 「大丈夫だから、時間…

僕等の街で。

9月1日。その日は、為吉君の誕生日。 僕と、葵とで密かにプレゼントを用意していたけれどそれは、サプライズの誕生日パーティーをする予定の夕食の時迄為吉君には、内緒。 サプライズ誕生日パーティーの計画にワクワクばかりは、していられなかった。 バス…

僕等の街で。

8月は、3年振りに忙しく日々が過ぎ去って、行った。世界天使会議に出席出来なかった程にだ。(3年前と、比べると3年前の方が、遥かに多忙だったけれど。) 「cafe cloverのチョコレートパフェ1つで、面倒な仕事を引き受けてくれて有り難う。」 「私、定…

僕等の街で。

「今日は、来てくれて有り難う。」 今日の南野さんは、ジーパンとTシャツにエプロン姿だった。 「エプロン姿の南野さんが、新鮮過ぎて。ほぼ、スーツ姿しか見た事が、なかったですし。それに家事の腕が、プロ並み。」 「褒めても、何にも出ないよ。何てね♪プ…