希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

「今日は、付き合ってくれて有り難う。拒食症が、完全に治ったかもって自覚した位から、最低でも月1で、甘い物を爆食しないと生きてけない体になっちゃってさ。でも、そうすると普通に太るから、調節が必要なんだけど。」

カレーを食べた後片付けは、赤井さんと葵が、してくれると言うので、僕は諭吉と、駅迄の道を歩いていた。

「拒食に戻ったり、過食に振り切らないのすごいよ。」

「プロは、諦めたけどバレエは、趣味で続けてるからかも。それと、たまに小学生クラスをパチンコ屋のバイト位の時給で教えてるし。てか、イギリスに引っ越す前に通ってたバレエ教室の先生の所に再び通い出したら、良いようにこき使われてるってのが正しいかもな、これは。」

「でも、嫌じゃないんでしょ? 」

諭吉の発する言葉からは、負の感情は感じられない。

「まあ、ね。俺の教え子から、プロが生まれたらって、想像しただけで嬉しいじゃん。」

「確かに。それって、一生物の自慢だね☆」

「俺と、2人の時位は無理すんなよな。」

突然、予想していなかった言葉を諭吉に掛けられた僕は立ち止まり、驚きの顔で諭吉を見詰めた。

「今日、無理してたんじゃないかって思ったから。気分乗らないとか、体調良くないとかあったんだったら、ドタキャンして良かったのに。」

「そんな事したら、2度と誘われないん…。」

僕の言葉は、最後迄続かなかった。自分の感情とは、多分無関係に涙が溢れる。

「そだ、桜が丘公園行かない?あそこなら、ベンチあるし。」

「突然、泣いたりしてごめん。本当、無意識…。」

「多分だけど、めっちゃ無理してたからかもな。誰にも、心配されたくないって常に無理してた代償。俺も、そんな事あったからそうじゃないかなって。」

そう言って、諭吉は僕に自販機のココアを差し出した。

「適当に1番甘そうなのを選んだけど、別なのが良かったら、言って。」の言葉を添えるのを忘れない諭吉の優しさに僕は、紳士とはこういう気配りが、無意識にでも出来る人だと、思った。

「有り難う。」

「何か、上手く言えないけど。小狼の事、ほっといたら何処か、遠くに行っちゃう気がして。」

「謎だけど、ほっとくと遠くに行っちゃうとか、死んじゃうとか親しくなった人に結構な確立で言われるんだよね。」

僕は、ココアを開けながら諭吉に言う。

「マジで、ヤバい時は誰かを頼れよな。じゃ、ないと…。」

説教染みた感じになりそうだったので、僕は諭吉を制した。

「ごめん、今は分かってるよな。マジで、ヤバいその時はポンコツになって、余裕とかなくなるから、そういうの吹っ飛んじゃうしそんな説教染みた言葉、言われても聴こえなくなると、思うけど。心の片隅にでも、俺の言葉をしまっといて。」

「うん、有難う。」

僕は、眼鏡に付いた涙を丁寧に拭き取り空に掲げた。

~続く~