希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

「基本雑食の所は、全力否定すると思ったんだけど。」
「蝉とか、蛾とか蜂の子とか、コオロギとかチャウチャウ犬とか、食べてた時点で雑食でしょ。日本来てからは、コオロギと蜂の子以外食べた事ないけど。」
「蜂の子の美味しさを分かる人に上京して、初めて会った!!見た目、エグいから下手物扱いされるけど、あれは間違いなく、美味しいんだよな。」
蜂の子を引っ張る気は、ないので僕は、話題をジェームズに戻した。
「ジェームズを筋肉馬鹿って、言った理由?オレを養うのにスパイを辞めて、ジムトレーナーに転職してさ。ストイックな性格なもんで、鍛えまくって地元のボディービルの大会で、大本命って言われてたプロボディービルダーを差し置いて優勝しちゃう位、ムキムキになったんだ。」
「すごいじゃん。」
「でもさ、ボディービルの大会出たの優勝した1回だけ。大量に血、吐いて遠くの病院に入院して。オレに心配されたくないって、具合い悪いのに我慢してたっぽくて。」
前世の僕と、現世の僕はトッキーの言う様に似ている部分が、あって僕は、ジェームズに親近感が湧いた。
「僕も、去年ジェームズと、同じ事したな。理由は、違うけど。」
「他人に心配掛けるとか、迷惑掛けるとか考えるのは、自由だけどさ。まずは、基本自分優先だと思うんだ。自己犠牲は、良くな…って、説教染みた事を言うのオレらしくねーけど。重度の結核だったジェームズには、言えなかったからさ。」
“基本自分優先”が、簡単に出来るなら僕も、ジェームズも楽に生きていただろう。
「ジェームズが、死んだ時に“激痩せして、別人みたいだ”って誰かに言われたよ。それから、ジムトレーナーの仕事を辞めてたって事も、ジェームズが本名じゃない事もジェームズの全てを多分、その時に知った。」
大好きで、大切な人が亡くなった時は、悲しみに暮れるのが普通だけれど、トッキーは違ったらしい。本当の自分を曝(さら)け出さなかったジェームズと、彼の異変に気付けなかった自分への怒りで一杯だったそうだ。
「目が、見える人と同じ様にじゃない事も、あるけど。ジェームズが、色々と教えといてくれたお陰で、1人でも何とか、37迄生きられたし。狂ったヤツが、スーパーのトイレに威力抜群な爆弾仕掛けなけりゃもっと長生きしてただろうけどな。」
「すごい前世…。」
「だろ?あ、そっか。ジェームズにちゃんと、感謝の言葉を伝えてないの心残りだったんだ。だからかな?前世の事、覚えてた理由。」
そう言って、トッキーはコーヒーを飲んだ。
「冷めちゃってない?」
「猫舌だから、丁度良い感じになった。」
「猫舌だったんだ。この前、普通に熱々の激辛地獄ラーメン食べてたみたいだけど…。」
「なうつぶ。と、ブログのアレね、見え張って熱々なの食ったのよ。写メったら、普通に冷ましたし。前世のオレは、猫舌じゃなかったんだけどな。」
トッキーの言葉に僕は、返事をしなかった。



〜続く〜