希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

風邪が、完全には治らないまま、1週間が過ぎた。食欲も、完全には戻らず、マジョラム茶と手製の健康ジュース(良い機会だと、言い聞かせて僕は、美味しくて飽きない健康ジュースの開発を始めた。)に頼りきっている状態だった。
小狼、最近何か、おかしいよな。」
ここは、スターボックス。Mサイズのブラックコーヒーと、チョコチップスコーンとクラシカルドーナッツを前にトッキーが言う。
「え、そう?」
平静を装い、僕は応える。僕の前には、激甘にカスタマイズしたSサイズのホットココア。
「とぼけんなよ。スイーツ男子が、スタボの新作スイーツに食い付かないなんておかしいだろ。」
「今、ダイエット中だから…?」
「語尾、おかしい。本気で、心配してんのに嘘吐かれた。」
咄嗟(とっさ)の嘘は、下手くそになったらしい。僕の嘘は、あっさりトッキーにバレてしまった。
「ごめん。バスミュを降りろって、言われたら嫌だって、思ったらつい…。」
「で、本当の所はどうなのさ?何時かは、バレるんだし白状した方が、楽だって。」
「風邪が、長引いてて。でも、気合いと根性で、治すよ。」
僕は、持病の事は言わなかった。
「後、俺に文句を言われたくなければちゃんと、ご飯を食べる!!」
この言葉は、僕の後ろから聞こえたので、僕は振り返えった。
「あー、異形な物を見る様な顔をしないでくれよ。たまたま休日に入ったスタボにたまたま桜井が、いただけなんだから。」
今、1番会いたくないと思っていた吉良先生に出会い、嫌だという気持ちが、表に無意識に出てしまったらしい。
「邪魔して、ごめんよ。今度、外来に来た時にじっくりと話そうか。耳蛸かもだけど、ご飯をちゃんと食べて、お薬飲むんだよ。勝手に止めたら、悪化するからね。」
僕が、しっかりとご飯を食べていない事を吉良先生に見抜かれていた。


「気合いと、根性じゃ何とかならなそうだな、風邪。無理、すんなよ。」
「そう、だね。」
9月の中旬。東京は、まだまだ暑い時期だけれど僕は、長袖のパーカーを羽織らずにはいられなくなった。
「本当に大丈夫か?」
「重度の貧血なんだ。今、投薬治療中で…。」
「風邪以上に厄介な…。」
トッキーは、溜め息を1つ吐(つ)くと、「ピーチは、何時も無茶するからなー。」と言った。



〜続く〜