希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

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  市松人形を抱えているので、僕とすれ違った人は、皆ギョッとした表情を浮かべ早足で、過ぎ去った。そして、駅に着くと迷わず、PASCAをかざして電車に乗った。
  桜が丘駅で、降りアパートへ向かう僕の足は早足だった。アパートの僕の部屋の前へ来ると、僕は足を止めた。
  防音対策が、バッチリとは言えない部屋(人間の耳に対しては、防音なのか分からないけれど)の中から為吉君の嬉しそうな声が、聞こえた。来客が、いるのだ。
  「ただいまー♪」
  僕は、鍵を開けると笑顔で、中に入った。
  「小狼、お帰りなさい!!」
  来客と、目が合った。僕は、懐かしさが込み上げてきて涙が、溢れた。
  「え、あと…。勝手に上がり込んじゃって、ごめん!!後、びっくりさせちゃったよね?」
  「葵、来るなら来るって教えてよ。」
  突然、僕のアパートに押し掛けて来た来客…南野葵に僕は、言った。生前と、変わらない会話をしていた。
  「ごめん、忘れてた…。あ、その人形どうしたの?」
  「桜が丘学園の合宿所にあったんだけど、悪戯ばっかりするから引き取って来た。」
  「焼き払うなら、焼き払いなさいよ!!」
  市松人形は、開き直っていた。
  「確かに焼き払うって、言ったよ?でも、みつを焼き払うなんて僕は、したくなかったんだ。みつを作った人は、嫌がるかなって。」
  「直人、優しい。」
  「だから、一緒に住もう?」
  「あんた達、兄弟ってどんだけ良い人なのよ。」
  「かまって欲しかっただけだろ、昔みたいにさ。元々、着せ替え人形として作られたんだから飾られてるだけって、嫌だったし気付いて、欲しかったんでしょ?」
  「何で、そんなに私を…。」
  「少しは、素直になったら?」
  葵が、言ったのでみつは、静かになった。
  「みっちゃん、宜しくな。おいら、鈴木為吉。」
  「僕、南野葵です。」
  「これから、4人一緒に住むんだし仲良く…。」
  「ちょっと、葵がここに住むなんて、僕聞いてないよ?!」
  「人間界(こっち)への滞在許可をくれた人が、発行してくれた住所ここなんだけど…。」
  「タグ、確認させて。右手首に付いてる白いヤツ。」
  それを見た瞬間、僕は溜め息。
  「保護官、僕の名前だし住所、ここだし…。期限、ないの?!」
  僕は、この件を正天使のアルファに明日にでも抗議しようと、決めた。
 
 
 
〜続く〜