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次の日の朝、桜が丘駅で鈴花と、待ち合わせ桜が丘が眺められる高台の霊園に向かった。
「ここ、すごく景色良い!!」
「葵、ここ来たの初めて?」
「来た事は、あるかもだけど記憶ない。」
そんな会話をしてる間にみつと、為吉君がどんどん先に行く。
「誰か、いる!!」
為吉君の言葉が、聞こえたのか1人の女性が、振り向いた。
「今日は。」
それに気付いた女性の隣と、前にいた人も振り向く。
「ヒロ、元気になって良かったじゃん。」
僕は、女性=須田千春ちゃんの隣にいた男性=片山広人(ヒロ)に声を掛ける。
「元の心臓の持ち主が、重度の蕎麦アレルギーじゃなかったら良かったんですけど。」
「ヒロ兄、蕎麦茶を間違えて飲んじゃって、死にかけたもんね♪アナフィラキシーショックだっけ?」
ヒロの双子の妹弟=美央ちゃんと、真央君は落ち着いた雰囲気を漂わせ、わんぱくな悪戯っ子だったのが嘘みたいな成長振りだった。
「ちゃんと、お友達君にはお灸を据えといたから。蕎麦アレルギーって、知ってて蕎麦茶入りのペットボトル渡すんだから。せめてもの救いは、エピペンについての知識ある人が近くにいた事ね。」
鈴花が、淡々と言う。
「オレが、油断してたからいけなかったんです。以後、気を付けます。」
大人になり、ヒロは謙虚という言葉を覚えた様だ。
「2人が結婚するって、噂で聞いたけど、本当?」
葵が、殺伐とした空気を何とかしたかったのか千春ちゃんに聞く。
「そうなんです!!私が、ヒロを幸せにするって決めたから、結婚するんです。それと、今のヒロ丸くなったんですよ。」
女性に幸せにしてもらう男は、どうかと僕は、思ったけれど考えれば、葵もその類いだった。
「千春ちゃん、葵の事知ってるの?」
僕の言葉にヒロが、反応する。
「初めて、会ったのは地元のバス停だったかな?ヒロの事、色々聞いちゃったりして。ヒロの弱点、とかね☆」
葵は、戸惑うヒロを見て、笑いを堪えていたけれど不意にヒロの耳元で、何か囁いた。それは、ヒロに聞こえた様だった。
「オレ、帰る!!」
赤面するヒロを追って、3人も帰って行った。
〜続く〜