希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

都北君が、天使だと分かった翌日から、バスミュメンバーとの絆が深まったと感じた。都北君の発案で、ニックネームや呼び捨てで呼び合う事にしたからだ。
慣れる迄は、何となくくすぐったい心持ちだった。

2週間のバスミュ合宿は、終わってみれば、長かった様で短かった。
「お帰りー。」
疲れきった僕を迎えてくれたのは、為吉君だけだった。
「葵と、みつは…?」
「かえでちゃんと、遊んでる。さくらさんが、買い物したのに何処かに買った物を忘れたって捜しに行ったから。」
それを聞いた僕は、街の様々な音からさくらさんの足音を捜した。どうやら、アパートに帰って来た様だ。
「祝太(しゅうた)さんが、いるけどご飯作ったり、洗濯したりで忙しいからその間だけ隣に…。」
葵が、面倒臭がってだろう。中途半端に壁抜けして、僕の部屋に来たので為吉君との話は、終了。
「直人、お帰りー。ご飯、まだだったら一緒に食べないかって、祝太さんが言ってるんだけど。」
「家族、水入らずのご飯なのに邪魔じゃないかな?」
僕は、南野家の玄関より先に入った事はなかったし、食事に誘われたのも初めてだった。
「もしかして、警戒してる?!」
「隣人にご飯を食べにおいでって、言われたの初めてで戸惑ってるの。別に警戒なんか、してないし。」
以前、住んでいたアパートでは考えられない事だった。引っ越しの挨拶も、なしに引っ越して来ては数年で、引っ越して行く住人達との間にご近所付き合いが、なかったからだ。
「皆で、食べた方が何倍も、ご飯が美味しいし、行こうよ。」
為吉君の言葉に心を動かされた僕は、南野家の食卓にお邪魔する事にした。



〜続く〜