希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

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  次の日の午前7時に僕は、通信装置のスイッチを入れた。そして、天界からの情報を確認し正天使アルファに電話をした。
  「ごめーん、違う人に流しちゃったみたい。今さっき、メルボルンのハイドから、連絡貰って気付いたんのー。今、送ったから許して♪」
  僕の拳が、ワナワナ震えた。機械越しでなければ、確実に1発は急所を殴っていただろう。
  「それと、調べて欲しいって頼んだ件はどうなってます?」
  僕は、鈴木為吉君についての情報を求めていた。過去100年の死亡者の詳細情報(病院のカルテみたいな物)が、天界には存在しているはずで、自害したのではない限りそれらは、厳重に保管されていた。
  「人間界で、第二次世界大戦があって、バッタバッタと世界中で人が、連日死んだから天界で、大混乱が起こったらしくて。大方の資料が、ないのよねー。20人で、探してるんだけど。」
  この言葉が、決定的だった。
  「真面目に職務、全うして下さい!!上司に通報しときます!!」
  ずさんな管理体制に情報伝達ミス…。これが、初めてではないので、僕は声を荒(あら)らげて、通信装置を切った。
  「小狼…?」
  僕を呼ぶ声が、して僕は、平静を取り戻した。
  「ごめんね、起こしちゃって。」
  「小狼が、大声出してたのに1人だけ平和に寝てるけどな。」
  為吉君に言われ、僕は寝室を覗いた。葵が、時折笑みを浮かべて、幸せそうに寝ていた。
  本当は、女なんじゃないかと時々、思ってしまう程華奢で、虚弱体質で繊細な葵。生前、葵はそれが、コンプレックスだと強くなりたい、ならなくてはいけないんだと何度か僕に言った。
  いじめられっ子になりうる容姿だけれど、葵をいじめるヤツは誰もいなかった。誰とでも、最終的には仲良くなってしまう葵の周りには、葵を慕う友達や知り合いばかりだった。
  「さっ、準備して仕事行こっと。みつ、葵を起こしちゃダメだからね。」
  僕は、みつに釘を刺して身支度を始めた。
  「小狼は、どうして私の事…。」
  「可愛い生地で、浴衣とか着物とかを縫ってあげたいなぁって思ったんだよね。」
  「じゃあ、じゃあ6着欲しいな。毎日、違うお着物着るのよ。それから、帯も。」
  みつは、目を輝かせていた。
  「僕のお仕事、終わったら選びに行こ。」
  「うん♪」
  僕は、みつを抱いて九隠坂下のレコーディングスタジオに向かった。
 
 
 
〜続く〜