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2006年1月9日(月)[2]
直人に内緒で、雄輔さんと練った中国へ行く計画は、ほとんど練り上がっていた。後は、直人の折れるのを待つだけだった。
「直人…、有り難う(ハート)」
僕は、直人に抱き付いた。
「葵、どうやって抜け出すとか、考えてる?」
「うん…。」
僕は、枕の下からゴソゴソと、ノートを取り出した。細い指で、ノートを開く。
「雄輔さんと、練ってたんだ…。ごめんね、直人に内緒にしてて…。」
僕は、直人に謝った。
「珍しいじゃん、雄輔さんが、協力的なの。」
直人は、驚いていた。
「本当にね…。ダメって、言いそうなのに…。」
僕は、力なく微笑んだと同時に酷い吐き気に襲われた。
「大丈夫?!」
僕の異変に気付いた直人が、僕に聞く。
「ごめんっ…、気持ち悪っ…。」
「吐く?」
「背中…、擦ってくれたら…マシになるかも…。」と、直人に言ったものの吐き気は、強まる一方だった。
「葵、痩せちゃったね。」
骨立った僕の背中を擦りながら、直人が言った。
「陸(ろく)に…食べてないから…。うっ…。」
胸が、ムカムカするし口の中に酸っぱい物が、広がる。
「吐いたら、楽になるんじゃない?我慢しない方が、良いよ。」
見苦しいのを見せたくない等と、言っている余裕もなく、ベッドの下から桶を取り出した。僕が、嘔吐をしている間直人が、背中を擦り続けてくれた。
「直人…、有り難う。すごく、楽になった。」
「良かった。」
「続きだけど…、脱出時間は、午後8時にさりげなーく。タクシーと、電車を乗り継いで…、空港へ行く。」
僕は、大した事がなかったかの様に直人に続きを話した。
「難しくない?」
「そう…かな?」
あれこれと、欠点を言い合っているとエディーが、現れた。慌てて、ノートを隠そうとするもエディーは、ノートを素早く僕の手から取り上げた。
〜続く〜