希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って

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2005年10月22日(土)[2]
 
 
 
  「あ、忘れる所(とこ)だった!!葵、お誕生日おめでとう!!」
  思い出した様に直人が、僕に紙袋をくれる。
  「今、開けても良いかな?」
  僕は、プレゼントにわくわくしていた。
  「どうぞ。」
  袋を開ける。3人が、それぞれ悩みに悩んで、考えてくれたプレゼント。僕は、嬉しくて泣きそうだった。
  最初に取り出したのは、白い手編みのニット帽。ポンポン付きのベレー帽みたいな形のそれには、詩織ちゃんからの物だと分かる手紙が添えられていた。
  次に取り出したのは、白いカーディガン。雄輔さんの素っ気ないメッセージの書かれた名刺サイズのメッセージカードが、添えられていた。
  それから、文庫本サイズの本。タイトルは、“最後の夏休み”で著者は、原田聖二=最後の夏休みの映画を撮った監督だった。
  メッセージには、“この世に1冊しかない本”と書かれていたが、大量印刷され書店に並んでいるそれと、ほとんど変わらない作りだ。
  最後に取り出したのは、真っ白な封筒。中身は、“何でも、1つだけ我が儘を聞く券”と、長めの手紙。どうやら、直人が1番、あれこれ考えて悩みに悩んでくれた様だ。
  「有り難う。原田監督にも、伝えといて。これ、作るの時間がかかってるだろうから。」
  何とか、僕は涙を堪えた。
  「映画をそのまんま文字に、起こししたらしいよ。公開、来年の4月だからって。」
  僕は、大袈裟に喜んでカーディガンを着てみた。そうしないと、涙が溢れ出して、止まらなそうだったからだ。
  「ニット帽、被んないの?」
  村っちが、僕に聞く。
  「この毛糸、良いヤツだと思うんだ。100均じゃなくて、手芸屋さんのお高めのヤツ。だから、もうちょいだけ触ってから、被るよ。」
  ニット帽は、モフモフしていて暖かくて。そして、何よりプレゼントをもらったという事が、嬉しかった。
 
 
 
〜続く〜