希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

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愛と勇気と時々希望を持って

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2006年1月9日(月)[3]
 
 
 
  「ダメ…。マスコミにバレたら…。Saturdayの赤井さん…、すごくしつこかったし。」
  僕は、とっさに話を盛ってしまう。
  「直人かて、同じやろ。ちゃうの?」
  エディーに言われて、僕は口をつぐむ。
  「分かった…。協力…、して下さい。」
  仕方なく、エディーに僕は答えた。
  「最初から、素直に言えばええのに。ほな、これやけど…。」
  “3人寄れば、文殊の知恵”とは、昔の人は良く言ったと、思う。完璧だと、思っていた計画の問題点をエディーは、いくつか指摘したのだ。結果、パスポートは前日に然(さ)り気なく、直人が僕の部屋に取りに行く事になった。
  そして、病院を脱け出すのにパジャマでは目立つので、詩織ちゃんの女性物の服(ロリータな服やら、ゴスロリな服やらコスプレ衣装やらは、目立つから止めてもらう様に僕が懇願したけれど、それしかないらしかった。)と茶髪ストレートロングのウィッグ(ティアラや、ミニハットなんかは雄輔さんが、却下したけれど無視された様だ。)と、メイク道具を駆使してまさかの女装をする事になった。
  「直人は、普段通りにしとったら、赤井や他のマスコミ連中にバレへんって♪後な、電車とタクシーは、まずいな。オレが、空港迄送ったる。」
  唯一、免許を持っているエディーがそんな事を言う。
  「有り難う…!!」
  「病院の前に止めとったら、目立つやろ?近くも、目立つかもな。それが、問題やな。」
  真剣に2人(と、雄輔さんと詩織ちゃん)が、悩んでくれている。
  「東都医科大の法医学研究室の建物の隣にさ、木が生い茂った不気味な感じの砂利道が、あるじゃん。あそこを抜けると、旧日本軍の関連する天然痘の研究施設が、あるんだ。」
  後で、調べると東都医科大は、明治時代に創設された。戦前は、東都医学専門学校と呼ばれていたらしい。そんな歴史ある大学に天然痘の研究施設、黒歴史として葬り去りたいのも、分かる。
  「初耳だよ、それ。」
  僕が、目を丸くする。エディーも、似た様な反応だった。
  「大学が、ひた隠ししてるからね。知ってるのは、大学トップと僕と、勇太郎さんと早智代さんと、英太郎と亜由美位かな。」
  つまり、学長と直人の養父母と、義弟と義妹は、知っている事実という訳なのだ。
  「って事はや、除霊せなアカン所やったんやな。」と、エディーが直人に聞く。
  「うん。5年掛けて、全員を強制的に成仏させたから今晩、結界を解くんだ。大学の裏の開かずの門の所に繋がってるから、そこなら人目に付かないよ。」
  旧日本軍の天然痘の研究施設で、人体実験が密かに行われていた事を想像して僕は、身震いせずにはいられなかった。
  「開かずの門?」
  エディーが、聞く。
  「錆びた黒門で、結界張って、侵入出来なくしてたから、開かなかったんだ。」
  肝心の決行日は、3月15日に決まった。
  「楽しみだなぁ…。」
  僕が、満足気に微笑むと直人が、「お互い、体力付けなきゃだね。」と、言った。
 
 
 
〜続く〜