希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って

バックナンバー:merumo.ne.jpをドメイン許可にして、00605453s@merumo.ne.jpに空メールをお願いしますm(__)m
 
又は、こちら:
 
 
 
2005年3月15日(水)[3]
 
 
 
  「私、そろそろ帰るね。」
  「じゃ、送ってく。」
  僕が、入院なんてしていなければ、全力で阻止しただろう。
  「本当は、僕がすべきなんだけど…。」
  僕は、直人の言葉に感謝した。お腹の大きな未來を1人で、帰すのは不安になるだろうから。
  「その言葉だけで、十分嬉しいよ。有り難う。」
  僕と、未來はマスク越しにキスをした。間接的では、あったものの初めて、唇にキスをし僕は、目を見開いた。
  「葵、またね。」
  「うん、気を付けてね。」
  僕は、直人にウィンクした。直人は、それに頷いた。
  2人が、帰ると僕は、便箋とボールペンを取り出した。“中国、行って来ます。”と、いう文字を便箋の線の上にはみ出さずに綺麗に書くのは難しかった。
  何とか書いた字は、線をはみ出した大きなふにゃふにゃ文字で僕は、苦笑しながら便箋をたたんで、封筒に入れた。その封筒は、中国旅行の計画を練るのに使ったノートに挟んだ。
  「パスポート!!」
  桜が丘学園高等部の修学旅行(行き先は、カナダだった)に行く予定で、作ったパスポート。ドクターストップにより、行けなかったけれどパスポートを使う事が、出来ると思うと、嬉しかった。
  「今日、やる事で忘れてる事、ないよね。」
  僕は、大事な事を記入したノートを何度も見返した。ノートを見返して、今日すべき大事な事、全てを終えた事を確認し僕は、安心した。
  大事な事を記入したノートをテレビ台の引き出しに戻し、少し眠る事にしたのだった。
 
 
 
〜終わり〜