希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って

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2005年10月9日(日)[1]
 
 
 
  午前2時。頭痛が、酷くて寝付きが、良かったとは言えないが、僕は目覚まし時計を止め、目を覚ました。
  体調記録ノートに体温やら、書き込める事を書き込むと着替えて、エプロンを締めてパティシエや、パティシエールの従業員達がスイーツを作っている中で、黙々とミニサイズのスイーツを数種類・全部で100個作った。レシピと突き合わせながら先週から、痛む右腕を気にしながら、完成する頃には午前6時を過ぎていた。
  完成したスイーツを丁寧に保冷剤を添えて、箱詰めしてクーラーボックスに入れる作業中、立ち眩みがして、とっさにしゃがみ込んだ。
  それが、落ち着くと朝食を作ろうと、キッチンへ向かった。
  「葵、お早う♪朝食、出来てるからね。」
  母さんの優しさが、嬉しい。テーブルには、僕の好きな物ばかりが少しずつ、10種類位乗っていた。ハート型のホットケーキにチョコペンで、書かれた文字には、面食らってしまった。
  「で、どうなの?未來ちゃんと、何処迄の仲な訳?」
  母さんが、改めて僕に聞く。僕は、それには答えずに黙々と朝食を食べると、キッチンから逃げ出し出掛ける準備をした。
  「お早うご座います♪葵、迎えに来たよー!!」
  桜が丘駅で、待ち合わせ予定だった鈴花が迎えに来て、幼馴染みとはいえ、大人びた服装に僕はどぎまぎ。
  「その大きなクーラーボックス、何?」
  「手作りのスイーツ。ほら、疲れると甘い物を食べたくなるじゃん。」
  「クーラーボックス、持つよ。」
  「良いよ、重くないし。」
  「良くないの!!葵に無理させるなって、お父さんに言われてるし。」
  僕は、諦めてクーラーボックスを鈴花に渡した。
  「今日、大学の何処で撮影するんだろ?」
  電車に揺られながら、鈴花が僕に聞く。
  「2201教室らしいよ。」
  「階段教室かぁ…。」
  僕は、場所の確認の為にリュックサックから大学の見取り図を取り出した。
  「2号棟は、法医学実習棟の近くのここ。」
  鈴花が、素早く教えてくれる。鈴花が、いるから迷わずに東都医科大学に辿り着けた。
  ファンやら、メディア関係者やらミーハーな野次馬やらが、屯(たむろ)する正門前にはガードマンと、スーツ姿の男性がいた。
  「村上さん、お早うご座います。」
  スーツ姿の男性…村上さんに僕は、挨拶。
  「南野君、どうしよ!!」
  直人のマネージャーをしている桜井さんが、伝達ミスをしたのかエキストラ出演予定だった俳優1人が、来ていないらしく更に女優1人も、トラブルに巻き込まれて来られないらしかった。
  「そうだ、2人が出ちゃえば、良いんだよ!!」
  突拍子のない事を村上さんが、言い出す。
  「桜井に文句言おうにも、酔っ払ってどっかの屋根に登って、落下して頭打って記憶喪失状態じゃ、覚えてないんだから文句、言えないしさ。」
  「桜井さん、大丈夫なんですか?!」
  「大丈夫じゃないよ、僕の仕事が3倍になったんだから…。」
  村上さんが、不憫に思えて僕と、鈴花はエキストラを引き受ける事にした。
 
 
 
〜続く〜