希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って

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2005年10月9日(日)[2]
 
 
 
  「主演・中村茜役、桜木直也さんです。」
  スタッフの1人が、ロリータな衣裳に身包みロングの巻き髪ヘアのウィッグを付けた直人を紹介し直人が、爽やかな笑顔で挨拶した。目の前にいる直人は、完璧に女の子で直人のプロ根性に僕は、脱帽した。
 
 
 
  昼休憩の時に僕は、クーラーボックスを置かせてもらっていたロケバスから降ろし、スイーツを出演者やスタッフさんに配った。
  「お疲れっ☆これ、差し入れね♪」
  「やったっ、杏仁パフェ☆」
  直人が、予想に反して喜んでくれて、僕は嬉しくなる。
  直人の反応に喜んでいると、「あおっち、俺っちには差し入れないの?」と、全員分あるのに村っちに聞かれた。
  「あるよ、チョコブラウニーサンデーは村っちの。」
  「葵さん、お…私にはないの?」
  前述通り、全員分あるのに僕にそんな事を言うのは現役女子高生女優の天草優衣ちゃんだ。
  「あー、ごめん!!どうしても、好きって言ってたヤツが思い出せなくてさ。何だっけ?」
  僕は、努めて明るく、優衣ちゃんに聞いた。
  「莓のショートケーキでしょ、ミルフィーユでしょ…。後、薔薇の小道53号、初恋何とかと青春何とか!!」
  僕は、全てを“何でも帳”に左手で、書き込んだ。右腕が、痛むので両利きにしてくれた母方の祖父母にこの時ばかりは、感謝した。
  「あれ、字を書くの左手に変えた?」
  書写の授業で、習字が始まった小3から、僕は右手で字を書く様にしていたので、左手を使っているのが直人には、不自然に見えたのだろう。
  「うん…。右、先週から痛いんだ…。」
 直人には、嘘を吐いてもどうせ、バレるだろうと正直に僕は、答えた。
  「大丈夫?!」
  腱鞘炎とか、捻挫とかリウマチとか、骨折とかそんな類いの痛みでは、ないのを直人は知っている訳で、僕は物凄く心配させてしまったと、後悔した。
  「平気、もう慣れたから…。」
  なるべく、明るい声で僕は、答えた。
  「そーゆー、問題じゃ…。あおっち、本当に大丈夫?」
  村っちが、ダメ押しの様に僕に聞くので、「大丈夫。」と、僕は笑顔で、答えた。
  「なら、良いけど。」
  根掘り葉掘り、質問攻めに合わなかったので僕は、ホッとした。
 
 
 
〜続く〜