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2005年10月8日(土)[4]
朝日平駅西口で、はるちゃんと別れ、ここでお開きになった。僕は、緊張感から解放され疲労感に襲われていた。
「今日は、滅茶苦茶疲れたなぁ。葵と、未來ちゃんも座る?」
僕の気持ちを察したのか、直人が言い近くのベンチに腰掛けた。未來と、僕がベンチに腰掛けると、「葵、4年前に何があったの?」と、直人が僕に質問。
僕は、シンデレラボーイと噂をされる事となった7年前の事から、話した。
「僕の1メートル後ろに突っ立ってる龍樹お坊っちゃまが、勝手にベラベラ喋ってくれたんだけど一応、聞いとかなきゃってね。未來ちゃんも、知りたいだろうし。」
未來が、ぎょっとした顔をして聞く。
「徐霊、しないの?」
「少し、警戒してたんだけど。お喋りなだけの守護霊みたいだから…。お喋りなくせに名前だけは、教えてくれなくてさっき知ったんだけど。」
「守護霊って、ずっと憑いてるんじゃないの?」
僕が、直人に聞く。
「複数いれば、ずっと憑いてる必要ないって前に別な守護霊してる人に聞いたけど。」
「葵にお礼しに来たらしいよ。平民を侮蔑してる孫を変えてくれたって。」
「お礼なら、夢枕とかでも…。」
僕は、恐縮してしまった。
「葵の部屋にも、葵にも近付けないんだって。部屋は、調べてみなきゃだけど葵に触れないのは、お守り付けてるからかな?周明(ジョウミン)が、指輪あげたって言ってたし。」
「これ、守護霊も弾くの?!」
「邪気のある霊とか、妖怪とかを寄せ付けないお守りなハズだけど…。見せて。」
指輪を見た直人は、舌打ちをした。
「この指輪のせいで、葵の守護霊も近付けてないじゃん。最近、葵にベタベタくっ付いてる守護霊がいないと思ったら…。」
こういうのは、簡単な事なのか指輪の効力を直人が、あっさりと変えてくれた。
「ベタベタ?僕の守護霊って、そんな事してたの?うわー…。」
「大目に見てあげて、5歳位の男の子だから。未來ちゃんのは…、身なりからして武士だね。」
「ぶ…、武士?」
未來が、驚く。
「守護霊って、知ってる人や子孫に憑くとは、限らないらしいから。さっ、帰ろっか。」
渋山駅から、直人の住むアパートは近く未來の住むマンションが、1番遠かった。それでも、直人は僕と未來を送り届けてくれたのだった。
〜続く〜