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2005年9月3日(土)[1]
「南野君、ごめんね。私…。」
「あ、全力で代役探してよ。はるちゃんの夢、だから。」
僕が、はるちゃんと付き合っていた頃、学年トップを6年間守り続け推薦入学を決めていた桜沢先輩の“何時か、葵主演の舞台を上演したいな。”と、言った言葉を思い出したから出てきた言葉だった。
「何か、久々に聞いたな。葵の口から、“はるちゃん”って。」
はるちゃんが、高等部を卒業してから名前で、呼び合うのはお互い、何処か遠慮していた。
「はるちゃんこそ、“葵”って久々に呼んでくれた。」
僕は、笑顔をはるちゃんに向ける。
「無理、しないで良いから。」
「有り難う。無理、してないよ?あ、許嫁(いいなずけ)の従兄(いとこ)に言われない?」
「全然。全力で、謝罪して和解しろって、言われた。ついでに言うと、はるきにも。」
はるちゃんも、笑う。
「はるっちの具合、大丈夫?」
「相変わらず、かな。葵の言う通り、葛藤があるみたいだし。」
遠慮していた日々を埋(う)める様に会話が、弾んだ。扉をノックする音が、する迄マシンガンの様に言葉が、行き交っていた。
「ヤッホー!!来ちゃった♪」
「周明(ジョウミン)さん!!」
「今日は、謝罪にね。一昨日は、見苦しい物をお見せしちゃって…。」
かしこまる周明さんに僕は、「雄輔さんが、エロガッパなのは昔からだし、気にしないで下さい。」と、言った。
「そうね。小狼(シャオラン)の家にいかがわしいビデオを隠してたし。」
「直人、嫌がってたけど転がり込んだんですか?!」
「社会生活不適応人間って言葉、訂正していただけませんか?そうだ!!明日の1時に小児病棟のプレイルームに行ってみて、下さい。そうしたら、その言葉を変えられるって思います。」
僕は、体が熱くなるのを感じた。
「元社会生活不適応人間に訂正する。でも、身辺調査は続けるわ。長に報告しなきゃいけないし。」
周明さんは、そう言うとウィンクをした。
〜続く〜