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2005年9月3日(土)[2]
「あ、南野君にこれあげるね。」
「指輪?」
「はめてみて。」
周明さんのくれた指輪は、僕の指には緩かった。
「じゃあ、ネックレスに…。お守りだから、肌身離さず付けてて。なくしちゃったんでしょ、小狼に貰ったお守り。」
岐阜総体の陸上トラックで、握り締めていた直人手作りのお守りは4月になくしてしまっていた。
「あれ、ご利益なんてないから別に良かったんですけど。」
「あの時、聞かなくて良かったかも…。あ、でも何で今…。」
「小狼の傍にいたら、何が起こるか分からないでしょ?!アイツは、煮ても焼いても、刺されても殴られても、監禁されても毒を盛られても、何をされても簡単には死なない男だけど南野君は、普通の人間なの!!」
「分かりました。有難く受け取っておきます。」
「じゃ、今度こそ帰るわね。」
「気を付けて。」
直人の心友(字を間違えた訳じゃない)になるという事は、命の危険も考えなくてはならないという事をすっかり僕は、忘れていた事を周明さんによって気付かされた。
「これ、細かいね。白い龍…。」
「中国、表皇家の家紋…。」
「今日、葵の代役のオーディションの日だったの忘れてた!!葵、またねっ。」
はるちゃんが、バタバタと帰って行った。
〜続く〜