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思えば、僕も葵も、計画を立てている時が楽しかった気がした。葵の体調が、急変してしまい感想なんて、言っている場合ではなくなったからだった。
「お父さん、怖い人だったらどうしようって思ってたけど、優しい人だったんだね。」
「僕達のお父さんは、僕達が生まれるの楽しみにしてくれてたんだね。」
「とっても、楽しみにしてたよ。」
僕は、笑顔で答えた。
「さっ、3時になるしかえでちゃんを起こさなくっちゃね。」
「あ、おやつか。」
「おはよう。」
まだ眠そうな声のかえでちゃん。眠そうな顔で、しっかり手を洗っていた。
「冷え冷えのプリン、あるからね。」
「ためちゃんと、あおくんかえってこないの?」
「うん、何処行っちゃったんだか…。」
かえでちゃんが、葵の事を知っている事を僕は疑問視しなかった。
「いただきます。」
「陸と、海(かい)はかえでちゃんを見習うべきだね。“いただきます”を言ってないし、プリンこぼしてるし綺麗にゆっくり食べてないし。誰も、取らないんだから。」
注意しつつも、男の子っぽい行動をする双子の姿に僕は、“葵と、全然違うな”と、感じていた。葵は、女子の鈴花が驚く程に少食で、学食の定食を完食出来ない事が多々あったからだ。
そして、葵はお菓子作りだったり、手芸だったりご当地キャシーちゃんのキーホルダー集めだったりと、リア充な女子がプロフィールの趣味欄に並べる様な事が、好きだった。
「ごちそうさまでした。」
「僕達、帰らなくちゃ。」
「じゃあ、送ってくよ。牛乳、なかったの忘れてたから買いに行くついでにさ。」
「僕達、お父さん一杯いるんだ♪」
帰り道、陸が突然、そう言った。
「小狼君でしょ、青葉兄ちゃんと…。それから、エディー兄ちゃんとおじいちゃん!!後、茨城のおじいちゃんも。それと…。」
双子の口から、10人もの名が飛び出した。
「僕も、入ってるの?!」
「当たり前じゃん。運動会とか、来てくれるもん。」
「嬉しいな、そう言ってくれて。」
僕は、改めて双子が、生まれてくれて、有り難うと思った。
〜続く〜