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愛と勇気と時々希望を持って

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2005年8月15日(月)[1]
 
 
  今日は、終戦記念日。正午に戦没者に黙祷を捧げるのは、昭和天皇終戦を告げる玉音放送が1945年(昭和20年)8月15日の正午だったからだろうと、今年もニュースをケータイのメルマガや、学天のトップページやテレビなんかで見聞きして思う。
 終戦記念日という事は、すなわち夏休みも、後3週間ちょっとしか残っていないという事であり東都祭(学園祭)迄、1ヶ月半を切ったという事だ。
  今日迄、桜吹雪の練習はお盆の実家への帰省者やら、親族宅へ行く人多数+新盆な人やら、墓参りやら墓掃除に行く人もいたりで、全員集まれないだろうという訳で、休みだった。ちなみにcafe cloverも、お盆は定休日。
  お盆という事で、病院の待合室は何処も、空いていた。普段なら、100%の確率で半日かかるのだが、半日かからかからなかった。
  「葵さん、今日は!!」
  抗癌剤を投与し終え、酷い吐き気と倦怠感に襲われていた僕に話し掛けてくれた声に驚いてしまう。この頃、名前で呼んでくれるようになった未來ちゃんだった。
  「未來ちゃん…。」
  「私の補聴器、調子悪くて聴力検査してもらって、作り直そうかなって。」
  僕は、酷い倦怠感と吐き気で、今日は笑顔を作る所ではなかった。ぶっちゃけ、会話も出来る事なら、したくない。何も、したくない。
  「そう…。」
  「お会計、終わったら一緒に帰りませんか?お家、近いし。」
  「良いよ…。」
  未來ちゃんに相当、気を使わせてしまった気がした。最短距離で、駅へ行く為に桜が丘公園へ向かう間僕も、未來ちゃんも無言で、誰も座っていない自動販売機近くの日陰のベンチを見付けて腰掛けた。僕も、隣に座る。
  「気を使わせちゃって…ごめんね。」
  「具合悪い時は、無理しちゃダメですよ。」
  未來ちゃんが、笑う。僕も、笑おうとしたけれどそんな気力もなかった。ゆったりと、時間が流れる。
  「あの、お弁当作ったんですけど食べてくれますか?」
  時間は、お昼になりリュックの中から、2人分のお弁当を出しながら未來ちゃんが、言う。聞けば、今日お弁当を2人分作ったのは、母さんの入れ知恵らしい。
  「有り難う。美味しそう♪いただきます。」
  南瓜の煮物を噛み締める。美味しい。
  「私、お料理を練習してるんです。おばあちゃんが、煮物位作れなきゃって言うから。」
  「美味しい!!」
  「良かったぁ。」
  未來ちゃんの優しさやらを感じる。
  「ごちそうさまでした!!」
  気が付けば、僕はお弁当を完食していた。
  「私、夢だったんです。好きな人にお弁当、食べてもらうの。」
  「え…?」
  「私を彼女にして、下さい!!葵さんを支えたいです。」
  真っ赤になって、言う未來ちゃんに僕は言う。
  「ごめんね、そういうの…。」
  本心ではないから、僕の胸は締め付けられる様に痛んだ。
 
 
 
〜続く〜