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2005年7月18日(月)[2]
僕と、未來ちゃんはcafe cloverの奥のテーブル席に座る。
「さっき、会ってたのにって驚いちゃった。」
「私、南野さんのお家だって思わなかった。」
僕は、かしこまって聞いた。
「ウチ、忙しくって大変だよ?」
「頑張ります!!」
その言葉に僕は、笑顔を向けた。
「採用♪」
未來ちゃんも、笑顔になる。
丁度、母さんがやって来て、「明日、練習あるの?」と、僕に聞く。
「10時から、あるよ。何時に終わるか、分かんないけど。」
「終わったら、来てくれるかしら?」
「はい!!」
「葵の事、宜しくね。」
意味深な発言を残して、母さんが消える。
「毎年、私の誕生日は家族で、ここに来ててここで、皆さんに祝っていただいてて。ここのアットホームな雰囲気が大好きなんです。」
「そんな事、言ってくれて嬉しいな。」
cafe cloverに集まる人々は、一様に幸せそうな顔をしている。
「葵君、アリスのお茶会の限定スイーツなんだけど。」
「かおりさん、デザイン画ですね。どっちも、可愛い〓これ可愛いから、食べるの勿体ないかも。」
「本当?」
「嘘吐いて、どうするんですか?」
「だよね。」
cafe cloverにいると、自然と笑顔になれる。笑顔の魔法をかけた人でも、いるのだろうか?
「葵君、ユズキちゃんって子が、来てるんだけど…。」
旬君の言葉に僕は、嬉しくなる。
「未來ちゃん、明日宜しくね♪」
僕は、笑顔で言うと、立ち上がった。しかし、段差もないのにド派手に転んでしまうという、恥ずかしい事態になってしまう。
「おにいちゃんらしい、ドジっぷり。」
ばっちり、柚希ちゃんに見られていた。
「わ、恥ずかしい…。」
「いたいのいたいのとんでけー。」
「有り難う。」
「えへへ☆」
僕は、立ち上がると柚希ちゃんを抱き締めた。
「退院、おめでとう!!一杯、頑張ってたもんね☆」
「うん♪あのね、ゆずおにいちゃんにあげたいものがあるの。」
「何?」
「おてがみと、クッキー。あとで、たべてね。」
平仮名と、小学校低学年で習う簡単な漢字で、書かれた手紙と手作りのチョコチップクッキーをプレゼントされた。
「上手に焼けたね。大切に食べるね。」
「やったー!!」
手紙は、稚拙な物だったけれど嬉しかった。
〜続く〜