希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

運動会の昼休み。それは、わくわくするお弁当タイム。
小狼のサンドイッチ、もらって良い?」
桜が丘地区の場合、お弁当タイムは地区の皆で、集まって食べるのでお弁当のシェアは、普通の事だったりする。(浅原園が、あるから自然と、そうなったらしい。)
「沢山作ったから、食べて♪僕、小百合さんの玉子焼きを食べたいです。」
葵の言動に不自然な点は、ない。
「あのね、4年生は午後から借り物競争が、あるんだよ!!」
プログラムを指差しながら、陸が葵に教えてくれる。
「予行練習の時は、校長先生ってお題だったんだけど、何が当たるか、分からないからドキドキするよねー。曜介君は、保健の先生だったでしょ。龍(ロン)君は、ホイッスル。海は、小太鼓で…。」
「6年生の応援係の子に貸してってお願いするのちょっと、ドキドキした。」
体育の時間の練習や、予行練習の事を知らない葵に地区の皆が順に話してくれた。
「今年も、小狼は運動会に来ないかと、思ってた。」
ふと、希望(きぼう)が葵に言う。
「今年こそは、行きたいって頑張ったんだ。陸と、海の勇姿を生で見たくて。えと、双子の父親の代わりに。」
小狼は、双子の父親みたいな存在だもんな。葵の遺言?」
「遺言とかじゃなくて、自然とそうしようって、思って。それで…。」
葵は、僕の言いたい事をそのまま言葉にしてくれている。今の所、僕のフォローはいらなさそうだ。
小狼、色々あんまり頑張り過ぎるなよ。」
「気を付けるね。」
「あ、言い忘れてたけど地区対抗リレー、ちゃんと子ども達に陸上走りを教えてるから、それで。」
聞けば、3年連続で桜が丘地区は、最下位。1位をもぎ取る秘策として、出場する大人は陸上経験者を集め、子どもは足の速い子を選んだらしい。
更に正規のバトンパスを教え込んだそうだ。
「あの、僕マネージャーで…。」
「映画で、リレー選手をやってた小狼なら、出来るって♪それと、マネージャーって言っても高校時代は、幽霊だったじゃん。」
「でも、ちゃんとお守りを…。」
葵の言葉を希望が、遮る。
「武運長久って、板切れの入ってたあれだろ?」
「武運長久ってなーに?」
葵と、希望の会話に陸が割り込む。
「兵隊さんが、戦場で長く戦って、勝てます様にって意味。」
修二さんが、すかさず説明。
「あれ、ご利益なかった様な…。断捨離した時、迷わずに捨てた。」
「念を込めたんだけどな。」
嫌がっていた割に葵は、運動会を楽しんでいる様だった。



〜続く〜