希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

陸斗と、海斗の運動会の当日。僕は、ラジオ渋沢の放送局から2人の通う小学校へと、向かっていた。
僕が、双子の運動会に行くのは2年振りで、小学校へ入学してからは初めてだ。
「僕、直人の振りをし続ける自信ない。」
運動会に向かっていたのは、正確には僕では、なくて僕に憑依させた葵。
「僕の振りをしなくても、良いと思うけどな。普通にしてれば、大丈夫だって♪何かあったら、僕がフォローするからさ。ま、バレた時はバレた時って、事で。」
今の僕は、自由に体を動かせないし葵としか、会話出来ない状態。
「そうだよね。」
葵に僕の体を貸した理由は、葵の何気ない、「陸と、海にはパパっぽい事、何もしてないなぁ。」という言葉が切っ掛けだった。
「葵、有り難う。地区対抗リレーの代走迄、引き受けてくれて。」
「昨日、左手を骨折した父さんの代走を直人が、頼まれたんだから必然的にそうなるでしょ。」


残念ながら、かけっこには間に合わなかったけれど、運動会前の体育の授業のほとんどを費やしたであろうダンス迄には間に合った様だった。
「SOULの曲に組体操を混ぜるのって、斬新。考えたの誰だろ?」
「今年度、島流しから帰って来た4年生の担任の岡島先生らしいわよ。それから、3年生の担当の先生方とアイデアを出し合って、振り付けしたんですって。」
双子の祖母にして、葵の母である幸子さんの言う“島流し”と、いう言葉。それで、僕達はピンときた。
「弥彦、4年生の担任なの?!」
「あ、聞いてなかった?」
葵は、首を横に振った。



〜続く〜