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駅前のロータリーは、花金(死語だけど、あえて使う。)の夜らしい感じだった。無名の芸術家作のモニュメントの前には、誰かと待ち合わせをしているであろう人達が、集っていた。
青葉と、歩く帰り道。花金の雰囲気に僕は、浮き足立っていた。
「あれ、エディーじゃない?」
「あ、本当だ。おーい!!」
エディーに青葉が、手を振る。青葉に気付いたエディーが、驚いた顔をする。
「小狼、久し振りやな。半年以上、会ってへんし。青葉は、昨日振りやけど。」
久し振りに会ったエディーは、甲状腺疾患の影響で痩せてしまっていたから、以前とは別人の様だった。(これでも、3年前より遥かにマシ。)
「小狼には、お礼せなあかんて思ってたんや。分からへんかった病気、見付けてくれた上にええ医者を紹介して、くれたし。」
「大幅に日常生活が、楽になったでしょ?」
「処方薬の威力、凄いわ。それ、副作用も凄いねん。めっちゃ、全身が痒くなるねんて。オレは、今んとこ出てへんけど。」
エディーが、笑う。僕は、そんなエディーに安心してエディーに新住所を書いた名刺を渡した。
「これで、手紙が出せるわ。」
今時の若者には珍しく、筆まめなエディーはファンレターの返事はもちろん、様々な人に事あるごとに手書きの手紙を出している。
「手紙、楽しみにしてるね。後、今度遊びに行くから。」
僕も、笑う。
「あ、聖(ひじり)ちゃん来たわ。」
エディーの嫁、南雲聖ちゃん登場。元高松塚バレエ団のプリマドンナで、現在はモデルやら、女優やらをしている。
「遅くなって、ごめんね。」
「仕事やったんやし、許すわ。」
人通りの多い駅前で、抱き合ってキスするなんて、ドラマみたいな展開を堂々と見せ付ける2人。
「邪魔したら、悪いから帰るね。」
「待って、小狼君!!借りっぱなしの本、返したくてずっと、持ち歩いてた
の。」
「連絡くれたら、引き取りに行ったのに。」
僕は、本を受け取り3人と、別れ駅へと、向かった。
〜続く〜