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cafe cloverは、雑誌やテレビ局が、取材に来る程の有名店。今月は、ブルーベリーフェアをしていて平日なのに行列が、出来ていた。
僕は、スマホを取り出して電話を掛けた。裏の玄関から、入ると2階のリビングダイニングへ向かう。
李君は、ソファーに座りココアを飲んでいた。
葵の家に無言で、上がり込んでも怒られないどころか、家族と同等の扱いをされるのは、昔から変わらない事だ。
「本当?!じゃあ、飲む☆」
「このココア、cafe cloverで出せるよ!!」
「本当に?!」
「うん、その位美味しい。」
「小狼と、2人は友達…?すごく、仲良しに見える。」
李君が、口を開く。
「お父さんと、お母さんの友達なんだ。僕達とは、友達なのかなぁ?陸、どう思う?」
「お父さんの代わりに運動会とか、学芸会とかに来てくれたりするから1番お父さんみたいな人だと、思う。あ、お誕生日会とかも来てくれるんだった。海(かい)は、どう?」
「うーん、僕も1番、お父さんみたいな人だと思う。僕達が、こうして欲しいとか、こう言って欲しいって、事をしてくれたり言ってくれるもん。」
「お父さんみたいな、人…?」
僕は、双子の父親が双子が、生まれる前に亡くなっている事を李君に告げた。
「お父さんに会いたい?」
「たまーに思うかな。お父さんと、お話出来たらなって。」
「そう…。僕も、南野君達のお父さん会ってみたいかも…。」
李君の口元が、少しだけ緩む。
「あ、やっと笑った!!李君、お店の前でガチガチ震えてたんだ。」
「ずーっと、忘れてた事を一気に思い出しちゃって…。」
「半年前迄の事?」
僕の質問に李君は、頷く。
「全部、思い出したら自由なのが、怖くなってそれで…。」
僕は、とっさに李君を抱き締める。双子と、同い年のはずなのに李君の方が、幼く感じた。
李君の身長も体重も、平均以下だからだろうけれど。
「ねぇ、李君の事さ龍(ロン)って、呼んでもいい?」
「友達だもん!!」
「友達…?」
「そ、友達。僕達、今日から友達。だから、南野君ってのはなし!!」
無邪気に笑う双子に葵が、ダブる。
「友達って、一方的になる物じゃないんだよ。友達になりたいって、お互いに思って初めて、友達になれるんだからお願いしないと。」
僕は、双子に諭した。双子は、改めて李君に友達申請をする。
「よろしく、お願いします。」
李君は、笑顔でハッキリと、双子に言った。
〜続く〜