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「そう言えば、李(リー)君大丈夫?」
「李龍(リーロン)君?うん、最近は落ち着いてるからさくらハウスに移動したよ。」
「良かったー。」
僕は、ホッと胸を撫で下ろす。
「ネームペンで、下絵をなぞったし後は、色付けだけだね。」
「アクリル絵の具か、ポスターカラーってあったかなぁ?ちょっと、探してくるね。」
希望が、部屋から消える。
「僕が、何でここに来たか、聞かないの?」
曜介君が、突然そんな事を言う。
「聞かないよ。曜介君が、話したくなった時にはちゃんと、聴くからそれ迄は、聞かない。」
僕の言葉に優実が、付け足す。
「小狼も、僕もここ出身だからさ。ここのルールとか、ちゃんと知ってるし。」
「あ、今のうちに短冊書いちゃお♪」
「あ、僕も。曜介君も、書く?」
僕の願い事は、毎年同じで“生きる”だ。願い事と、いうよりも目標なのだけれど。
「小狼、短冊は願い事を書く物だって、毎年言ってるのにまた…。」
「ポスターカラーか、アクリル絵の具あったの?」
僕は、呆れ顔の希望に聞く。
「あったよ、僕のアクリル絵の具セット。後、筆と筆を洗う用の半分に切ったペットボトルが、沢山。」
「完成!!」
丁寧に色付けし、ハサミで余白を残して切る。七夕飾りを作っていた子達も、手伝ってくれたので僕と、優実は礼を述べた。
「これ、台本のコピー。後、不織布(ふしょくふ)張った板と立て掛けるヤツを貸してあげるよ。」
「有り難う、希望大好きっ!!」
“大好き”の言葉と、同時に僕は希望にハグをした。
「ごめん、ケータイ鳴ってるから…。」
「ちょっと、cafe cloverに行って来る。」
「何か、あった?」
誕生日会は、毎月末。ケーキを取りに行く訳では、ないはずだ。
「李君、保護されてるみたいでさ。さくらハウスが、手薄になっちゃうから行って、欲しいって。」
「だったら、僕が行くよ。ここも、手薄になっちゃうでしょ?」
「有り難う、ごめんね。」
「大丈夫だから、誰かを頼って。」
僕は、希望に何度も言っている言葉を言う。
「じゃあ、お願い。」
希望の言葉に僕は、「任せて☆」と、答えた。
〜続く〜