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愛と勇気と時々希望を持って

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2005年12月23日(金)[1]
 
 
 
  今日は、天皇誕生日国民の祝日今上天皇(平成天皇)の誕生日な訳だが、少なくとも僕の周りでは、今上天皇の誕生日を祝う人間はいなかった。皆、祝日なので多少は、浮かれポンチョにこそなるが今上天皇の誕生日というのは、どうでも良いという事なのか…。
  そんな今日、直人が例の健康ミックスジュースを手土産に来てくれた。僕は、モソモソとベットから、起き上がる。
  「葵、起きて、平気?電話した時も、辛そうだったから。」
  体調については、話していなかったのに直人はお見通しの様子だった。
  「うん…。直人の顔見たら、元気出た。」
  倦怠感と、体のあちこちの痛みと吐き気とで、笑顔を作る余裕はなかったが、僕はそう答えた。
  「無理しなくて、良いよ。」
  優しい言葉を言って、くれる直人に火曜日にメールした内容に触れた。“何でも1つだけ我が儘を聞く券”を使い、中国の直人の生まれ故郷へ2人で主治医朴先生に許可を得ずに行くという予定をたてたのだ。
  「ねぇ…、中国行きたいって話…。」
  「ダメに、決まってんじゃん!!国内なら、ともかく…。」
  朴先生に10月9日の件が、あって以来、外泊許可はもちろん、外出許可すら簡単に降りなくなっていたので、無許可で行こうとしていたのだが直人曰く、国内なら無許可でも、許すという事だった。
  「直人の生まれ故郷を見てみたいし…ちゃんと…、僕を紹介してよ。親友だって…。」
  正確には、直人の5歳の誕生日迄育った場所が、中国だった。戸籍上は、日本人らしいのだがそれは、賞金稼ぎを生業(なりわい)としている人を欺く為、らしい。アサシン(暗殺者)一族の子として、育つとそんな小細工も、必要不可欠という事か。
   墓が、あるかなんて分からないが、墓前に生きている事を報告して欲しかった。そして、5歳の誕生日で止まっている時間を進めて、欲しかった。
  「葵、大胆な事考えるよな。ま、直人が止めんのも、分かるわ。」
  突然、直人の口調が変わる。雄輔さんが、しゃしゃり出て来た様だ。
  「雄輔さん、一生のお願いだから…。」
  「今回は、止める気ないし。ちゃっちゃと、どうやって脱け出すかを考えようぜ。」
  雄輔さんは、絶対止めると思っていたから、以外だった。
  「止めないの…?」
  「オレ、考えたんだ。直人、3人で1人前で、葵を支えに生きてる。それ、良くないなぁって。後、中国裏皇家の事って表皇家の書物には、一切の記述がないんだな。」
  「そうなの…?!」
  「黒歴史って、ヤツ?だからって、直人が記憶を封印しちまって、良い訳ねーからな。直視して、前に進ませんならこれかなって。」
  雄輔さんと、僕の思いが合致し、僕はまっさらなノートを取り出した。計画を一緒に練るも、15分程で止(や)めた。
  「まだ、何にも決まってないよ…。」
  「面倒な事に体は、直人のだし。葵、無理させらんないし。次回来たら、また話そうぜ。」
  「うん…。」
  「葵、思いっきり拗(す)ねた顔しとけよ。オレに説得されてたって、事にしとくからさ。」
  そして、どうやら雄輔さんは、直人と代わった様だった。
 
 
 
〜続く〜