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愛と勇気と時々希望を持って

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2005年10月8日(土)[3]
 
 
 
  朝日平駅西口周辺は、閑静な住宅街。有名人のお宅も何軒かあり、政治家や有名企業の役員なんかも、住んでいる。
  「桜沢先輩の家ってさ、すんごいの?」
  待ち合わせ時間の15分前に集合場所にいたメンバーの1人が、聞く。
  「南野、教えてやれよ。お前、詳しいだろ?」
  先輩の一声で、かいつまんで桜沢財閥についてと、桜沢邸について説明する羽目になってしまった。
  「見事な説明、有り難う。100点!!葉っぱ付きの花丸、あげちゃう。さっ、行きましょ。」
  朝日平駅西口から、徒歩15分余りの場所に桜沢邸は建っている。2000坪の敷地内は、立ち入った事のない庶民には謎な場所だ。そんな桜沢邸に行くなんて、僕は数年振りの事だった。
  「相変わらず、大きいね…。」と、僕は苦笑いしながら言った。
  「はるかです。開けて、頂けるかしら?」
  インターホンを押し、如何(いか)にも元華族のお嬢様らしく、振る舞うはるちゃん。家では、相変わらず猫かぶりみたいだ。
  門が、自動でゆっくり開く。ズラリと、メイド服姿の女性達が並び、一斉に挨拶をする。
  「はるきお兄様!!起きていて、平気なの?!」
  メイド服達の中心、石畳の上にTシャツジーパン姿の男性…はるちゃんの双子のお兄さん(はるっち)が、立っていた。その少し後ろには、スーツ姿の男性…執事の吉田さんがいた。
  「うん♪体調が、良くて。」
  「春仁様に怒られると、申したんですが聞かなくて…。はるかお嬢様の言う事なら、聞いていただけるかと…。」
  吉田さんは、困惑気味に言う。はるっちは、特殊な声紋認証+パスワードシステムの付いた部屋に隔離状態だった。
  「吉田さん、兄はカゴの中の鳥では、なくて桜沢家の人間よ!!あの部屋にばかりいるのも、退屈だと思うけれど?父に言うわ、『兄を幽閉したいんですか?』って。」
  桜沢先輩の強い口調に吉田さんは、たじろいだ様子だった。
  「葵は、すでに知っているけれど、紹介するわね。双子の兄のはるきお兄様と、執事の吉田さん。」
  はるちゃんが、2人を桜吹雪のメンバーに紹介する。
  「あおっち、来てるんだ♪」
  控え目に目立たぬ様に立っていた僕をはるちゃんが、はるっちの前に引っ張り出した。
  「あおっち、久し振り♪皆、ごめんね。見苦しい物を見せちゃって。」
  はるっちの顔が、パッと笑顔になる。
  「はるっち、無理しないで寝てたら?」
  「そっちこそ、まぁたぶっ倒れたって聞いたけど?」
  数年振りにあったはるっちは、数年前と、変わらなかった。
  「生きてるうちに会えないかと、思ってた。」
  「僕も、会いたかったし、話したかった…。」
  たまに文通をしていたけれどそれは、同世代の友達が僕以外にいないはるっちにとって、寂しく感じていたのだろう。
  「積もる話も、有りましょうが、ご案内致します。」
 吉田さんに促され、僕達は食堂へと向かった。
 
 
 
〜続く〜