希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

土曜日。バスミュの2公演を終え、僕はノートパソコンを開いた。

ラジオ渋沢のホームページから、青葉のラジオ番組を聴く為で入院中の青葉の代役として、陵介が番組に出演していたからだ。

「ねぇ、パソコンでラジオ聴いて、良い?」

4人部屋である僕の部屋では、僕を含め8人がいてババ抜きに興じていたので全員に確認をした。

「いつそば?今週、陵ちゃんが担当だっけ?オレも、聞きたい!!」

トッキーが、僕のトランプを引きながら言う。

「トッキーってさ、陵介とも知り合い?」

「村っちが、酔った勢いで召喚してさ。同時に村井雅彦さんを召喚したのには、驚いたのなんのって。大御所俳優相手にタメ口だし、雅ちゃん・夢(む)っちゃんって呼び合ってて。」

「雅さん、村っちの親戚の叔父さんらしいよ。バスミュの脚本書いてるはるちゃんとも、従兄弟だし世間って、案外狭…。ん、メール?仕事依頼…?また、タダ働き確…。緊急案件じゃないか!!」

本業の白呪術師の仕事は、儲からない。(前にも、書いたけれど。)妖魔退治と、除霊の仕事しか依頼が、来ないし僕の場合、依頼が来る前に首を突っ込んでしまうか、依頼人が文無しの幽霊かなのが最大の理由なのだけれども。

僕は、悩んだ末に義妹の亜由美にこの緊急案件を引き受けて貰えないかの交渉をする事にした。

「霊能力者って、儲かんないのか。安倍晴明のみたいな人に憧れてたんだけど。」

ゆっきー(神崎雪斗)の一言に僕は、言う。

安倍晴明の名を出す霊能力者って、ほぼほぼ胡散臭いインチキだから。大概、皇家流呪術を極めた総本家の長の事を知らないし。霊能力者なら、誰でも名前を知ってる世界的な超有名人なのに。それと、僕は霊能力者じゃなくて、白呪術師だから。」

「あ、じゃあさ。オレの事、見てよ。占い、出来るんでしょ?タダで、なんて言わないよ。玄米、1俵と交換でどう?ウチの実家の米、めっちゃ美味いらしいよ。」

「らしいって…。え、米アレルギーなの?うん、それは良くないから、伝えとく。」

ゆっきーの守護霊を僕は、生前から知っていた。

「呪術的な占いって、すぐに出来る物じゃないんだ。材料を揃えないと、いけないし。例えば、宮中行事なんかでやってる亀甲占いなら、乾燥させた亀の腹の甲羅を手に入れないと出来ないんだよね。」

それに加えて、僕の占いが、当たる確率は低い。

「手相とか、占星術とかは?」

「ごめん、それ専門外で…。占いじゃないけど、ゆっきーの守護霊が警告してた。米アレルギー、治療しないで米を食らうなって。元救急医の僕も、同意見だな。ちゃんと、専門医と治療すれば、普通に食べられる可能性もあるらしいし。」

「マジか?!あんのヤブ医者野郎、そんな事は一っ言も…。とりあえず、専門医?それを探して、セカンドオピニオン?受けて来るわ。」

「行くなら、日本アレルギー学会のホームページに専門医が、一覧になってるはずだから。」

「有り難う。小狼が、開業したら大繁盛、間違いなしだと思うのに何で、医者を辞めた訳?」

持病を隠しているので、どう答えるべきか迷いながらも、僕は答えた。

「心労で、ぶっ倒れて辞めようって、決意した。」

「やっぱ、ヤバい人が多かった感じ?」

“ヤの付く自由な職業の人の事?それとも、酔っ払いの事?それとも、犯罪の容疑者の事?それとも、理不尽に文句を付ける人の事?”と、言う質問を僕は飲み込んだ。

~続く~