希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

僕等の街で。

「頑張り過ぎるのって、良くないって分かってるけど、頑張り過ぎちゃうんだよな。」

僕は、イタリアンプリンを食べながら言った。

「急にどうした?!」

桜が丘小学校時代の僕を知っている諭吉に僕は、持病の事を正直に白状した。

「持病の事を話すのって、すっごい勇気がいるのに正直に話してくれて、有り難う。」

そして、超特盛プリンパフェのバニラアイスと格闘しながら、諭吉が続けた言葉に僕は、驚いた。

「俺も、イギリスに住んでた頃に拒食症だった。バレエが、学べる寄宿学校に8歳になる年の4月から12歳になる年の10月迄籍を置いてたんだけど校則とか寮のルールとか、レッスンとか後、体重管理云々がめっちゃ厳しくて。多分、俺にその環境とか諸々が、合わなかったんだろうな。バレエを始めた5歳の頃は、バレエってめっちゃ楽しかったのにあの頃は、バレエが苦痛だったし。」

僕は、ロイヤルミルクティーを少しずつ飲みながら諭吉の話を聴いた。

「拒食症って、分かってすぐにバレエの学校を退学してバレエ、辞めて。日本人学校の初等部に籍を移して。」

「バスミュって、イギリス公演してたっけ…?」

「親父の東京出張に合わせて、冬休みに日本に一時帰国してさ。その時にバスミュを観て、バスミュに出たいって思って。それから、治療をめっちゃ頑張った。」

諭吉が、そう言って僕にスマホの待ち受け画像を見せてくれた。5代目の佐藤紀親=朔夜君と、着膨れていても分かる程にガリガリな色白の少年が写った画質の粗い物だった。

「5代目にバスミュに出る宣言したからには、叶えなきゃだろ?真面目な性格が、良い方に転がっての今だし。だから、この画像は初心を思い出すお守りみたいな物だな。」

「僕も、そういう目標みたいなの見付かるかな?」

「俺を目標にしてくれても、良いんだぞ。」

諭吉の言葉を僕は、否定した。

「目標として、崇めるより諭吉とは一生友達で、いたいな。諭吉が、嫌じゃなかったらだけど。」

「嫌な訳、ないだろ。事務所の人にも、オーディションの時に言ってない過去を曝(さら)け出したんだから。」

諭吉が、そう言って超特盛プリンパフェの真ん中辺りのプリンの層と、格闘し始めた。

「あの、一生友達でいたいとか、言っておいてあれだけど。多分、絶対に迷惑を掛けると思うんだ。精神的に不安定な状態だし。拒食症になる前に患ってた解離性同一性障害、再発するかもだし。」

「多重人格?そうなったら、そうなった時だろ。夢原直人って、男がヤバいヤツだってもう、刷り込まれてるからな。最初は、戸惑うだろうけど受け入れちゃったら、仲良くなる自信しかないな。」

諭吉が、胸を張る。

「有り難う。バスミュの関係者で、僕の病気の事を正直に話したの諭吉だけだよ。トッキーに詰め寄られた時は、重度の貧血持ちって言って、誤魔化したし誰も知らないんだ。」

貧血の症状の1つに食欲不振が、含まれているから医学知識のなさそうな僕の過去を知らない人には、トッキーに詰め寄られてから重度の貧血で、押し通す事にしていたのだが誰にも、バレていなかった。

「本当に話してくれて、有り難う。それと、スイーツを食べに誘っちゃったの不味かった?治療云々に影響とかあったりしない?」

「大丈夫。今は、とにかく何でも、普通に美味しく食べられる様になる事と体重を増やす事って、ミッションを課されてるから。マジョラム茶に頼らないと、無理な時とかあるし。まあ、頼っても無理な時も、あるけど。」

 「マジョラム茶ってどんなお茶?」

 「食欲不振に効くって、三浦豪太がプレゼントしてくれたんだけど、正直良く分かんないんだよね、ハーブの効能効果って。味は、オレガノっぽくて苦いけど美味しいよ。」

 僕は、そう言ってロイヤルミルクティーを飲み干した。

 

 

 

~続く~