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猛スピードで、走った先はコンビニ。非常事態を知らせるランプが、クルクル回っている。
一部始終を目撃 した人が、「強盗事件だ!!」と、言う。犯人の特徴等を聞くと、僕は犯人が逃げた方角へ走った。
そして、とあるテナントビルに辿り着いた。僕が、ここに来たのは初めてではなかった。
組長が、僕の大ファンだと知っていても、だ。中に通されると、僕は先程の強盗事件の件を話した。
僕の話を聞いた組長は、1人の男を呼び出した。事実を確認し、男が認めると、組長は男に激昂した。
「堅気の人間さんには、迷惑掛けないのが組の掟なんだが…。後で、コンビニに謝罪に行かねばなるまいな。小狼、コイツをさっさと連れて行ってくれ。」
僕は、桜が丘警察署の特殊捜査課に連絡後男を連れて、桜が丘警察署へ向かった。男を引き渡し、アパートに戻る頃には午後7時を過ぎていた。
「小狼、お帰りー。」
「お帰り。今日、筑前煮作ったよ♪後、鮭を焼いてお味噌汁作って。」
「葵、後で筑前煮の作り方、教えてよ。」
「そう言うと思って、レシピ書いてファイルしといたよ。」
「やた!!有り難う。」
僕は、相当疲れきった顔をしていたのかもしれない。
「お風呂、先に入ったら?」
為吉君が、僕に言う。 「うん、そうする。」
「やっぱり、台本読むのはお風呂に限るな。」
「長風呂好きは、昔から変わんないね。」
葵が、笑う。
「疲れた時は、お風呂じゃない?強盗を追い掛けて、暴力団事務所に1人で乗り込んだから、気疲れしちゃった。」
「直人、無茶な事しちゃダメだって。無防備な感じで、行ったんでしょ?」
「無茶してないよ。組長さんが、僕の大ファンみたいで毎回、歓迎されるんだ。組員、全員妖怪か半妖だからドキドキして行くんだけど。」
僕は、筑前煮を頬張る。思わず、笑顔がこぼれる。
「美味しいー。」
「良かったぁ。まだまだ、あるからね。」
葵は、嬉しそうに言った。
「そう言えば、みつは?」
「かえでちゃんの所に泊まるみたい。みっちゃんを気に入って、かえでちゃんがお持ち帰りしてったから。」
僕は、質問したのに為吉君の答えがどうでも、良かった。ただ、ただ眠くて日課のジョギングと、就寝前のストレッチを割愛した。
〜続く〜