希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って

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2005年11月3日(木)[1]
 
 
 
  今日は、国民の祝日文化の日。“自由と平和を愛し、文化をすすめる”なんていう大義名分の付いた日らしい。ぶっちゃけ、去年迄の僕だったら学校が、休みになるなら大義名分なんて、どうでも良かったのだが。
  「良かった、いたいた♪」
  中庭のベンチで、抗癌剤のぶら下がった点滴スタンドを従えて日向ぼっこをしながら、ノートパソコンでレポート課題をしていた僕は僕を見付け出した人物…、週刊Saturdayなんかで記事を書いたりしている芸能リポーターの赤井レッドさんから、逃げ出したいと思った。
  「南野君が、入院してるって聞いて、居ても立ってもいられなくてさ。」
  手には、花束。いかにも、お見舞いという感じで現れた赤井さんの真の目的は、何らかの情報を掴む事だろう。
  「僕は、何にも話す気ないんで…。」
  赤井さんに質問される前にと、僕は先手で、釘を刺した。
  「この写真、めっちゃ良く撮れたんで2人にあげようかなって。」
  鈴花が、直人を抱き締めている写真。
  「Saturdayとかに載せなくて…、良かったんですか?」
  「グレーじゃ、編集部に提出しても突っ返されるだけだし。彼女に写真、渡してね。」
  赤井さんが、妖しげな笑みを浮かべて僕に言う。
  「赤井さんって、敵が多そう…。空気とか…、人の気持ちとか…読まないし。」
  「そう?」
  吐き気と、倦怠感。それに痛み。今日は、それらが酷かった。
  「葵、ここにいた。病院中、捜したよ。」
  主治医の朴(ぱく)先生が、現れたので僕は、赤井さんから逃げる口実が、出来内心嬉しかった。
  「放送で、呼び出してもらえば楽だったんじゃ…。」
  「その手が、あったね。」
  そんな簡単な事を思い付かなかった朴先生が、苦笑する。
  「もしかして…、先生のゼミと授業のレポートの催促ですか?」
  「それは、提出してくれるのなら何時でも、平気だから。香椎先生は、提出してくれるのなら加点するって言ってたな。えこ贔屓(ひいき)になるからって、全力で止めたけど。」
  僕は、嬉しくて涙が、溢れた。
  「ごめん…なさい。」
  「大丈夫。あ、葵を見付けたは良いけど、何処に行けば良いのか、香椎先生に聞くの忘れた…。」
  医療用のPHSを取り出し、朴先生が香椎先生に場所を聞いてくれた。
  「僕を捜してたの、香椎先生だったんだ…。」
  「場所、分かったし。僕も、行く流れになってるし。暇じゃないのに!!誰が、葵の保護者だ!!」
  朴先生は、散々文句を言いつつも、一緒に来てくれた。
 
 
 
〜続く〜