希乃子の小説、読んで下さいm(__)m

駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って

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2005年9月15日(木)[2]
 
 
 
  「何、2人だけの秘密?」と、鈴花が僕に聞く。
  「知りたかったら、9日…だよね?」
  僕は、直人にニヤリと笑った。
  「桜井君のオーディションの件、私だけじゃ決められないわ。三宅さんとかにも、聞かなきゃ。」
  はるちゃんが、困り顔になる。
  「じゃあ、MDに録音したら?」
  僕は、録音機能付きのMDプレイヤーと真新しい未開封のMDをベッド脇のテレビ台の引き出しから、取り出す。
  「ここ病院だから。」と、止める直人に「病院で、やろうなんて言ってないし。大学の講堂、行こ。あそこなら、文句ないでしょ?」と、僕がとどめの一言を刺す。
  「そうね。皆で、録りに行く?」と、はるちゃんも乗り気だった。
 僕も、「行きたい。」と軽く駄々をこねた。
  「ちゃんと、看護師さんに言うなら良いんじゃない。」と、渋々という感じで直人が、言い僕は、付いて行った。
  「直人、気楽にね☆」
  直人は、緊張していた。それに気付いて、僕が言う。
  「龍樹(たつき)が、東宮キヨ子に告るシーンのセリフを宜しくね♪」
  1番長く、1番難しい台詞(せりふ)を課題としてはるちゃんは、提示した。
  「数分、時間くれません?」
  「桜井君のタイミングで、良いわよ。」
  直人が、目を閉じる。心の引き出しを開けて、多分東宮龍樹を探しているのだろう。目を開けて、深呼吸。
  「凄い!!」
  鈴花と、はるちゃんは褒めていたけれど、僕は違った。
  「涙は、やり過ぎだって!!」
  大袈裟な気がして、僕は直人に言った。
  「気持ちを重ねたら、自然と…。」
  自然と、出来てしまう直人は凄い。
  「計算してたのかと、思ったけど?」
  「計算?!そんなに器用じゃ…。」
  「だよね。直人が、そこ迄、器用な訳ないか☆」
  僕は、ついついそんな事を言ってしまう。
  「桜井君、才能有るわ。劇団蒼風(あおかぜ)のオーディション、受けてみたら?」
  はるちゃんの言葉を直人は、曖昧に微笑んで巧みに躱(かわ)していた。
“僕が、恋する日曜日。”僕は、直人が先月末迄、帝都劇場で公演されていた劇団蒼風の舞台、“僕が、恋する日曜日。”に出演していたのを知っているので、笑いそうになってしまったのだった。
 
 
 
〜続く〜