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2005年9月1日(木)[2]
僕が、気が付くと見慣れた白い天井が、あった。左腕には、点滴の管。
「気が付いて、良かった。」
僕は、その声に飛び起きた。
「大人しく、寝てなよ。」
声の主は、周明さん。直人の従姉(いとこ)だ。
「あの…、直人は?」
「君を病院に運び込んで、即入院になった君が気付く迄、いる気だったみたいだけど君の状態をあの場にいた人に伝えてきなって、私が追い出した。」
「僕、周明さんにも迷惑掛けちゃって…。」
「気にしないの!!それより、有り難うね。直人と、仲良しになってくれて。」
周明さんの思いがけない言葉に僕は、驚いた。
「直人、君が倒れた時に必死だった。あんな顔もするんだって、びっくりしちゃった。」
「直人といて、飽きないですよ。日々、人間味が出てきてて。今は、ないけど癇癪(かんしゃく)玉が、爆発して暴走しちゃった時は、大変でしたけど。」
「一般人が、暴走を止めた?!」
周明さんの目が、丸くなる。
「とっさに叫んだんです。“ちゃんと、ご飯食べるから!!”って。」
「アイツ、そんなに単純だったかしら…?」
「以外と、単純ですよ。」
僕は、そう言って笑った。
「君さ、私と直人が、ケンカするって思ったんでしょ?だから、止めようとしてくれたのよね。」
「だって、面倒じゃないですか!!講堂が、ぶっ壊れたりしたら。それに照れますよ、“伴随着想返回的位可愛(バン スイ ジャ シアン ファン ホイ ダ ウェイ コー アイ)”なんて言ったら。連れて帰っちゃいたい位、可愛いのは、分かりますけど。」
「君、中国語分かるんだ。じゃ、全部聞かれちゃったね。」
周明さんが、笑う。
「ごめんなさい!!暗殺云々の件(くだり)とかも、聞いちゃいました。直人、俳優の仕事が多忙過ぎて、アメリカ行ってる暇ないはずです。」
「直人が、俳優?!」
「知っている人、少ないですけど桜木直也の名で。」
僕は、笑顔になる余裕も出来、周明さんに笑顔を向けた。
〜続く〜