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2005年8月16日(火)
僕は、昨日の返事を考えていたら明け方迄、寝付けなかった。お陰で、寝不足だし目の下には、大きな隈。
大欠伸(あくび)をしながら、大学へ向かった。途中で、桜吹雪のメンバーに出会い会話を交す。
「葵さん、お早う御座います♪」
昨日、何事もなかったかの様な未來ちゃんに僕はドキドキだった。
「あのさ、昨日の答えを考えたんだけど。」
未來ちゃんが、硬くなったのが分かる。
「宜しくお願いしますっ!!」
僕は、そう言って右手を差し出した。未來ちゃんが、笑顔になる。
「こちらこそ、有り難う御座います♪」
未來ちゃんも、右手を差し出し握手をした。
「あのさ、敬語やめない?」
「ごめんなさい!!よそよそしいですよね。」
直そうとしても、敬語な未來ちゃんに対して僕は、「少しずつ、やめる?」と笑いながら、聞いた。
「そう、しま…。あっ!!」
僕は、(リアル、キヨ子だ。)と、思った。
「私、生きてて良かったって思ってもらえる様にしたい。」
僕の心を感動させるには、その言葉で十分に事足りた。
「言うね。」
「言いますよ!!」
未來ちゃんが、笑う。
「有り難う。」
「あ、もうこんな時間!!練習に遅れちゃう。」
未來ちゃんが、腕時計を見ながら言う。
僕も、首から提げたケータイの待受画面を見る。10時迄、後5分。走れば、ギリギリ間に合うけれど全力疾走なんかしたら、僕の左足が悲鳴をあげてしまうだろう。左足の骨に腫瘍が、転移してしまいそれが、歩くだけでも痛かったのだ。
「私のコンタクトレンズを捜してて、遅くなった事にしてゆっくり、急ぎましょ?」
矛盾しているけれど、未來ちゃんの言葉が僕は、嬉しかった。
「うん、有り難う。」
僕は、笑顔で答えた。
〜続く〜