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駄文な小説を書いてます。

愛と勇気と時々希望を持って2

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  2005年4月25日(月)
 
 
 
  僕の足は、小児病棟へと向かっていた。途中、小児外科医の姫島匠先生に出会った。
  「あ、南野君。朴翔君を見なかった?」
  「いえ、見てませんけど。いないんですか?」
  「そうなんだ。何処に隠れちゃったんだか…。」
  「僕も、捜します!!今日、検査とかないし。」
  僕は、姫島先生に答える。
  「迷路みたいな病院を知り尽くしてる南野君なら、見付けられそうだ。お願いね。」
  姫島先生が、去ってしまうと僕は、最短ルートで屋上に向かった。
  「いないなぁ…。中庭に行ってみるかな。」
  これまた最短ルートで、中庭に向かった。
  「いた。」
  地球戦隊エコレンジャーのパジャマを着て、1人でベンチに腰掛けていた。
  「隣に座っても、良いかな?」
  僕は、然り気無く翔君に聞く。
  「あおいにいちゃんなら、いいよ!!」
  「有り難う。」
  「あおいにいちゃん、またにゅういんしちゃったの?」
  「うん。」
  「だっさっ。」
  人の事、言えないだろうというツッコミを封印し、「この間は、ごめんね。パパ、お休みだったのに呼び出しちゃって。」と、謝る。
  「きゅうかんって、あおいにいちゃんだったんだ。」
  「そう。あ、パパの事嫌いって言ったんだって?パパ、すごーく落ち込んでたよ。」
  「だって…。パパ、ダメしかいわないんだもん。おともだちと、サッカーしたりおにごっこしたり、したいのにさ。」
  翔君の気持ちは、痛い程に分かる。僕と、同じ。否、僕以上に我慢しなくちゃいけない事が沢山あるのだ。
  「パパや姫島先生や、看護師さんに何でダメって、言うのか聞いてみた?」
  僕の問いに翔君は、首を横に振る。
  「翔君の心臓、お友達よりも疲れやすいんだ。サッカーしたり、鬼ごっこしたりしたら沢山心臓が、頑張らなきゃいけないから早く疲れちゃうんだ。疲れて、ドキドキが止まっちゃったら、大変だからね。」
  僕は、幼稚園児に理解出来る言葉で説明した。
  「パパ、きらいなんていっちゃった…。」
  「ごめんなさいしたら、許してくれるよ。パパにも、謝る様に言うから。」
  翔君のキラキラの笑顔が、好きだ。僕の不安を1瞬でも、吹き飛ばしてくれる笑顔が。
  「ありがとう♪」
  僕は、翔君のキラキラの笑顔に向かって笑顔を返した。
  「さっ、帰ろっか。」
  翔君と手を繋ぎ、エコレンジャーのオープニング曲を翔君と歌いながら、翔君の病室へ向かった。
  「あおいにいちゃん、だいすき。」
  「僕も、翔君大好き。」
  「エコレンジャーみたいに強くて、格好良い男の子になれるかな?」
  「なれるよ!!」
  僕は、力強く答えた。
 
 
 
〜続く〜